下肢静脈瘤とは
「下肢静脈瘤」とは、日本人の約9%が罹るといわれ、患者数は1,000万人以上ともいわれています。
足にある静脈に血液がたまり、血管が膨らむ病気のことをいい、見た目にもはっきり分かるほどボコボコとコブ状に静脈が浮かび上がります。
命に関わる病気ではありませんが、自然に治ることはなく、放置しておくとだるさやむくみなどが日常化し、重症になると皮膚炎や潰瘍を形成することもあります。
下肢静脈瘤の種類
下肢静脈瘤には、症状によって
- 伏在(ふくざい)型
- 側枝(そくし)型
- 網目状
- くもの巣状
の4種類に分類されます。
基本的に手術や血管内治療が必要になるのは、「伏在型」のみとなります。
伏在型 | 側枝型 | 網目状 | くもの巣状 |
---|---|---|---|
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手術 | 硬化療法・弾性ストッキング |
下肢静脈瘤についてよくある間違い
下肢静脈瘤については、一般的にあまり知られていないこともあり、間違えた情報も多くみられます。ここではよくある間違いをご紹介します。
間違えた情報(例)
- 血の塊が飛んで、脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなる
- エコノミー症候群になる
- 足を切断しなければならない
- 血管のコブが破裂する
なぜ下肢静脈瘤になるのか
血液の逆流をふせぐ静脈弁が壊れると、汚れた血液がその下にある静脈に溜まり
血管がコブのようにふくれてしまいます。また、汚れた血液が溜まり、静脈の中の圧力が高くなることによる炎症によって様々な症状がおこります。原因は遺伝や妊娠・出産、長時間の立ち仕事などがあります。
下肢静脈瘤のできやすい方
- 性別:女性の頻度が高い
- 年齢:加齢とともに頻度が増加する
- 遺伝:家族に静脈瘤がある方に起きやすい
- 仕事:立ち仕事に従事する方に多くみられ、進行しやすい
- その他:妊娠・出産をキッカケにしてできやすくなる(特に2度目の妊娠でできる方が多い)
よくある症状
下肢静脈瘤の代表的な症状は、以下の3つが挙げられます。
主な症状
- 足の血管がボコボコと盛り上がる
- 足の一部の血管が浮き出てみえる
- 足の皮膚に茶褐色の色素沈着がみられる
その他の症状
- 足の静脈に沿って炎症を起こして痛みが出る
- 夜中に足がつる
- 足にかゆみがある
- 足にむくみがある
- 足に不快感(だるい・痛い・重い)がある
- 足に湿疹や出血がある
- 足の皮膚表面が脱落し潰瘍ができる